文字を知り、書体を知る。
文字の持つ性格を知ろう。
文字の違いといっても明朝体からゴシック体、
楷書体、丸ゴシック体と非常に広い範囲に及びます。
その全てを把握するのは容易ではありません。
ここでは「見せる」「読ませる」など看板に良く使う書体の説明をします。
印象的で映える見せる文字
ロゴやお店の名前など、目立たせたい部分に使われる文字です。
ウェイト(文字の骨格が太い)がある書体が多いので、読みやすさを保つために、余裕を持った行長・行間が求められます。
【角ゴシック体】
力強い、真面目なイメージの角ゴシック。会社名など多くの目立たせたい箇所に使われています。
代表的なゴシック体として、ヒラギノ角ゴシック、モリサワ新ゴシック、小塚ゴシックなどがあります。
【楷書体】
楷書の他に似たような書体として、行書や草書などがあります。
和風のイメージで「見せる」使われ方が多いです。
【隷書体】
古風な感じのする書体です。
伝統、威厳といったイメージがありますので、信用など出したい使い方があります。
目が疲れにくい読ませる文字
雑誌や新聞などに使用されている明朝体など。細く、柔らかい文字は見ていて疲れにくいものです。
【明朝体】
この明朝体も新聞や雑誌などで身近な存在な書体です。
ただ看板は、読ませるより見せるものですので、ウェイトを太くして見せる使い方が良いでしょう。
【丸ゴシック】
字のとおり、ゴシック体の角を丸くしたものです。
親しみのあるイメージを作れますので、うまく活用するとお店のイメージを上手に演出します。
文字をデザインするということ
ここで紹介できるのは、ほんの一例です。
ジュン企画でも300種類近くの書体があります。
しかし数が多ければいいわけではありません。
書体の持つ性格を知り、製作する看板の内容を知り、それを伝える相手を知り、その上でもっとも読みやすい、伝わりやすい書体・サイズ・行長・行間を決めていきます。
また、どんな書体を使ったとしても、ただパソコンで出力されるだけの状態(デフォルト)では美しいデザイン、読みやすい文字組を作り出すことは難しいのです。
文字は完成品ではありません。
文字によっては和文と欧文を変える、文字と文字の間を詰める、頭を揃えるなどのデザイン処理をしてはじめて美しいデザインが完成するのです。
機械に頼らず自分の目を信じる
手書きで字のバランスを見て書いていた時代とは変わり、現在はパソコンのマシンとソフトがあれば、デザインができるようになりましたが、果たして文字のデザインができている看板は少ないのではないでしょうか。
知識がなくてもパソコンはキレイな文字を出力してくれるようにはなりましたが、デザインの知識があってソフトを使うのと、わかったつもりで使うのでは結果は大きく変わってしまいます。
大切なのは、パソコンまかせにせず自分の目を信じるということです。
「本当にこれでいいのか」「もっと見やすくならないか」とジュン企画では疑って積み重ねられた経験があります。